ここまでのあらすじ
 

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 夏、八月。
 いつものことながら経済状態が危機的状況下にあるシティーハンターに向けて、伝言板にXYZの三文字が記された。
 空木早苗(うつぎさなえ)という若い女性の依頼人にレストランへと呼び出された香は、彼女から「シティーハンターを殺して欲しい」との言葉を浴びせかけられる。早苗はシティーハンターに恋人や息子を殺され、復讐を企てる女たちの一員で、この「依頼」は女たちからの宣戦布告だった。
 

 依頼人と会って帰ってきてからふさぎ込みがちになった香の身を案じた撩は、街で情報を集める。しかし問題の依頼人に関してはほとんど情報がない。代わりに正体不明の女がシティーハンターの情報を収集しているという話が耳に入る。
 撩は依頼人と香との間で何があったか香に尋ねるが、香は明確な言葉を避けた。
 問題の依頼人とシティーハンターについて嗅ぎ回っている女が別人であるらしきことを撩は掴むが、それ以上については変わらずわからないままになった。
 

 香が空木早苗に会ってから五日後、いつものように伝言板へ依頼の有無を確認に行った帰り道、早苗ともう一人の女・桐生(きりゅう)美和(みわ)が香の前に現れる。偶然その場に居合わせた冴子の手に発信器を残すよう強いられ、香はそのまま女たちに連れ去られた。
 冴子から香がさらわれたことを聞かされた撩は、香をさらった女たちの特徴から先日の「依頼人」と、シティーハンターについて嗅ぎ回っていた女であることを知る。しかし、未だその正体と目的はわからず、香が相手方にある以上、手の打ちようがなかった。
 冴子が伝えた桐生美和からの伝言により、翌日の夜に桐生本人と接触の時間と場所を指定された撩は、そのまま待つことになる。
 

 一方、香は桐生美和が蓼科(たてしな)に所有する別荘の一室に監禁される。
 別荘には美和と早苗の他にもう一名、花井良江(はないよしえ)という中年の女性がいたがプロらしいプロはいなかった。撩が裏世界の情報網でもって女たちの正体をつかめなかったのはそのためだった。
 さらに香をさらった今回の計画が、シティーハンターに復讐を望む素人の女性の集まりであることと、桐生美和の正体──桐生の恋人の正体を香は知らされた。
 

 撩は桐生が指定したとおりの時間、指定されたホテルのバーへ向かった。待ちかまえていた桐生から、撩は香をさらった女たちの正体と目的を聞かされる。そしてさらに、桐生は彼女の愛人の正体を撩に告げた。桐生の愛人は、撩の今は亡きオヤジにしてユニオンテオーペの長老・海原神だった。
 撩は香の命を盾に取られ、桐生たちからの次の連絡を待つ間、香の監禁先を探さないよう言質を取られる。
 

 そして撩が美和と会っている同時刻。
 蓼科に残った早苗が香と一度ゆっくり話をしたいと香の閉じこめられた部屋を訪ねてきて──
 


 
 

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